胃切除の患者へのロキソニン
ロキソニンが処方されている処方箋を応需した。
まあ、普通に痛み止めかな。
なんて思いながら調剤をして待合室の患者さんを呼ぶ。
普通に説明して普通にお渡しで終わりかと思ったら
「10年以上前に胃をとってしまっていてね」
なんて話が出てきた。
私は思う。
「あれ?胃のない人にロキソニン大丈夫なんだっけ?」
大学の授業で習った記憶の中で確かロキソニンはプロドラッグだったような。
胃酸で反応して有効成分に変化するんじゃなかったっけ?
結論〜大丈夫そう〜
ロキソニンは胃酸で活性体になるのではなく血中に入った後に肝代謝を受けて活性体になるタイプ。
なので胃があるかどうかは薬効に関係がなさそう。
むしろ胃潰瘍などのリスクを考えなくていいので通常より安全と考えられる?
ちなみに胃酸で活性化されるタイプの薬にはPPIなどがる。
胃酸分泌抑制薬が胃酸で活性化されるとはなんとも不思議な感じがする。
1回目の投与と2回目以降の投与で有効成分の血中濃度が変わってきそうなものだが。
2回目以降は薬が効いて胃酸分泌が抑えられているから、活性体への変換が少なくなりそう。
ひょっとしたらではあるが、胃酸過多状態ではよく効くように胃酸が減少してきたら効果が落ちるようにうまく設計されている?
今度調べてみよう。
話は逸れたがとりあえずロキソニンは大丈夫なようだ。
ただし、添付文書の禁忌にあるとおり肝臓・腎臓・心臓に疾患のある人は注意である。
ちなみにレバミピドも意味あるらしい
整形外科の処方せんなどでよくロキソニンとセットで出されるレバミピド。
こちらも胃潰瘍予防というイメージが強いが、食道・十二指腸・小腸などの潰瘍を予防する効果が示されているのでそちらの予防ということで意味があるそう。
そもそもレバミピドは活性酸素消去効果、好中球からの活性酸素や蛋白分解酵素産生の抑制、サイトカイン産生抑制など多彩な抗炎症効果を持っていてとりあえずそれらが消化管器系の色々なところに効いてくれるよう。
まとめ
ロキソニンはとてもいい薬です。
昔は劇薬指定だったようですがちゃんと使えば安全性が高く効果もよく非常に優秀な薬。
授乳中も問題なく最近ではコロナワクチンの副反応対策としてもアセトアミノフェンの代わりとしてOTCでよく売れている。
お陰でロキソニンSも品薄になってきてしまっている今日この頃・・・