新入社員の頃、当時の先輩に奨学金の返済についてアドバイスされたことがあった。
「奨学金は結局借金なんだから早く返した方がいい。」
「俺は貯金するよりまず返済に当てて繰り上げ返済も使ってすぐに返済した。」
「だから今はもう支払いもなく楽だよ。」
私が奨学金の返済を月1.5万円ずつチマチマと行って計20年で完済しようとしていると話したら、上記のように「返せる余裕があるうちに繰り上げてでも返した方がいい」と言われたのだ。
それから8年後の現在、私は相変わらずチマチマと返済を行っている。
素敵なアドバイスをいただいたのだが私は返済ペースを早めることはなかった。
なぜなら、私が借りている奨学金は無利子であるから。
もちろん先輩との話の時にも無利子である旨は伝えているのであるが、どうも
借金=悪
みたいな公式があるらしい。
この先輩だけでなく、他の先輩方やうちの親なども割と
「さっさと返しとけ」
という。
日本学生支援機構のためを思って。とかではない。
なんとなく借金は悪いものな気がするからということなのだろう。
手元に資金があると使ってしまうではないか!
確かにそれは一理ある。
300万円の借金をしている人が、400万円の貯金ができたとする。
そこでさっさと返済した人は手元に100万円しか残らないが、借金を残している人は手元に資金が400万円あるのでちょっと財布が緩くなってしまう傾向はあるのかもしれない。
しかし、それはそれで好きなことに使ったのであれば有意義ではあると思う。
ちなみに私の場合ほとんど投資に回してるので無駄な消費が増えることはほぼない。
借金分を先に投資に回すことでリターンを得ながらのんびり返していけばいいと考えている。
返済分を先に投資に回していたら。
ちょっと計算をしてみよう。
今400万円の手元資金があり、借金が360万円残っている。
これを
A、借金分はすぐに返済し、残った40万円を年+5%で20年運用。
B、借金は毎年18万円ずつ、20年かけて返済。手元資金は投資に回し年5%で運用。
の2パターンで検証してみる。
Aは初年度40万円が翌年42万円、翌々年44.1万円・・・という感じ。
Bは初年度400万円を+5%で運用(=420万)し奨学金返済18万を引いて翌年には402万円(420-18)、次の年も同様に+5%で運用して18万の支払いを行い翌々年には404.1万円・・・
エクセルの計算結果を貼り付けると以下(四捨五入後)。
経過年数 | A | B |
1 | 42 | 402 |
2 | 44 | 404 |
3 | 46 | 406 |
4 | 49 | 409 |
5 | 51 | 411 |
6 | 54 | 414 |
7 | 56 | 416 |
8 | 59 | 419 |
9 | 62 | 422 |
10 | 65 | 425 |
11 | 68 | 428 |
12 | 72 | 432 |
13 | 75 | 435 |
14 | 79 | 439 |
15 | 83 | 443 |
16 | 87 | 447 |
17 | 92 | 452 |
18 | 96 | 456 |
19 | 101 | 461 |
20 | 106 | 466 |
最終結果になんと360万円もの差が!!
正直自分でもこんなに変わるとは思わなかった。
ってかちょうど最初の借金分の差ですね。
(金利5%を20年だからまあ、当たり前?)
確認になりますが、Bはちゃんと毎年18万円ずつ引いています。
ちなみにBについて上記は5%上乗せしてから18万を引くシュミレーションですが、
先に18万円を引いてから5%上乗せするという計算式でやると20年後の結果は約433万円。
実際には返済は先(年初)か後(年末)かに一気に行うのではなく、毎月ごとなので結果は433〜466の中間より少し上くらいに収束すると思います。
もちろん5%で運用できる保証はどこにもないですが、インデックス運用であれば難しい数字ではりません。
借金の元が無利子なのでそもそもノーリスクです。
強いてリスクが何かないかと考えた場合、ハイパーデフレになるパターンくらいでしょうかね?
しかし、ここでは長くなるので省きますがその場合もいくらでも対処のしようはあります。
金利次第では積極的に借金します。
ということで奨学金一括返済も可能ですが今まで通りのペースで長い時間をかけて返済するスタイルを続けていきます。
他にも額はそこまで大きくないですが、今使っているスマホは3万円程度でしたが分割手数料無料キャンペーンをしていたので敢えて目一杯分割して48回払いを選択しました。
今も毎月600円くらいずつチマチマと返済しています。
返済が終わったものではノートPCのMacBook Air、冷蔵庫などは全て分割手数料無料キャンペーン中のものだったので目一杯分割して支払いを済ませました。
一方で車の購入時は金額こそ300万円超えでしたが、どんなに金利が安くても2%前後だったのでローンは組まず一括で購入しました。
今後住宅を購入することがあるかもしれませんが、その際は金利が1%程度ならフルでローンを組むでしょう。住宅ローン減税の制度が使えた場合は差し引きで1%になるまでの金利なら許容範囲です(ローン金利が2%で控除分が1%の場合とか)。
おそらく、どんなに低く見積もっても長期投資で2%をアンダーパフォームすることはないと考えるからです。
逆にそれ以上の金利になると場合によっては投資のパフォーマンスが負けてしまう可能性があるのでなるべく頭金を多く支払うようにするかと思います。
まとめ
借金は確かに気分はあんまり良くないんですよね。
いくら無利子でも毎月一定額が引き落とされているのを見ると、
「これが無ければスッキリするのにな〜」
と思うことは多々あります。
しかし、しっかり金利の計算を行ったり投資でどれだけの利回りが出ているかを確認することでモヤモヤは消えていきます。
借金も悪くないものですよ。