コーストFIREとは?また新しい種類のFIREが現れた?

FIREという言葉はもうかなりの人が知っていると思う。

 

元々は米国で始まったムーブメントで、早期から倹約と投資によって資産形成を行い、

配当金などの資産収入で生活費を賄えるようになったら早々に仕事を辞めて自由に暮らすというもの。

 

日本でも多くの人に広まってきたのはここ5年くらいだろうか。

アベノミクスによる株価上昇が始まった頃からじわじわと話題になっていき、

米国株ブームやコロナ後の株価上昇などを経て爆発的に拡がったような印象。

 

ブロガーやYouTuberの存在も大きく、私も方法論等の詳細を学んだのは主にYouTubeからだったと思う。

 

 

そして今ではFIREの種類も多岐にわたっている。

 

元々のFIREは資産収入で生活費を100%賄い仕事は全くしないもの。

 

しかしそのためには最低1億円程度の資産が必要で多くの人が

 

「無理じゃね?」

 

ってなったり

 

「無理じゃないけど、1億円に届く頃はもうおじいちゃんじゃね?」

 

とかいう現実を突きつけられた。

 

 

そこで生まれたのがバリスタFIRE(呼び名は色々ある)というもの。

こちらは資産収入と仕事からの収入を合わせて生活費を賄うもの。

 

何が良いかというと、資産収入が補助としてあるため仕事で多く稼がなくても大丈夫よというもの。

今の仕事は嫌だけどお金のために仕方なく続けているという人は、

「収入は少ないけど好きな仕事」をすることができる。

 

また、資産収入で週2日分の給料と同じくらいの収入が作れたという人は

仕事の量を週3日に減らすことができるかもしれない。

 

こちらはだいぶ庶民的なFIREの目標となり得る。

共働き正社員夫婦などはかなりの確率でイケるんじゃないかと。

 

しかし、共働きでない家庭や都心部で子育てを行う家庭などには

こちらの実現も厳しいような気がする。

 

例えば年間生活費が300万円必要という人が週5→週3日に仕事を減らし、

週2日分は資産収入から補うとなると120万円を資産収入から得なければならない。

資産から4%が手取りで入ると計算しても3000万円が必要となる。

 

そこでコーストFIRE

 

コーストFIREとはそれ以上将来のための貯蓄をしなくてもいい状態になることらしい。

働くことはやめないが、働いて稼いだ分のお金は全て今のために使うことができる状態。

老後の資金などは用意したタネ銭の資産運用による自己増殖で。

 

例えば老後は年金と2000万円の貯蓄があればOKで60歳で完全退職を考えるのであれば、

30歳までにおおよそ470万円貯めればコーストFIRE達成となる。

運用利率の年利5%は十分現実的な数字であるが、渋めに見積もって4%としても620万円で済む。

野村證券マネーシュミレーターを使った試算

この状態になったらもう将来の分を含めてガツガツ稼がなくて良い。

 

現状の手取りは30万円で毎月の生活費が20万円で済んでいる人がいるとする。

この人が上記のように470万円でコーストFIREを達成したのなら、

そこからは20万円しか稼がなくても良くなる。

 

それならば仕事の量を減らすことができるかもしれない。

 

もしくは、「高給だが嫌な仕事」を辞めて「薄給ではあるが好きな仕事」に移ることができるかもしれない。

30年間の仕事の時間を「嫌な仕事」→「好きな仕事」へ転換できるのはかなり大きなメリットといえるのではないだろうか。

 

また、将来のために何となく貯金をする必要がなくシンプルに今必要なお金のことだけ考えていればいいという精神的な楽さがある。

 

大学卒業の23歳から仕事を始めて30歳までに470万円貯めることは、

月当たり5万円の捻出で達成できるのでそう難しいことではないだろう。

 

まとめ

コーストFIREが簡単そうに感じるのは、バリスタやその他のFIREと比較して

ゴールが近くに設定された考え方だからであろう。

 

バリスタとの違いは簡単にいうと大きな資産を先に作るか後に作るか。

 

バリスタは先に大きな資産を作り、そこからの資産収入を補助として使う。

一方のコーストは最低限の資産を作り、そこからの資産収入を将来用に回すという方法。

 

ゴールとなる資産の額が違うから簡単に感じる。

当然であるがFIRE達成後に稼がなければならない額はコーストの方が多い。

 

しかし、私はとても無駄がなくて良い方法だと思った。

 

結局多くの人は将来が不安で必要以上に稼ごうとしている。

将来の不安があるから稼げるなら稼げる分だけ最大限稼いだ方がいいと考えてしまいがちだ。

 

一方、今を生きるだけであれば必ずしも大企業の正社員である必要はなく

その辺のアルバイトでも別になんの問題もないはずである。

今ならバイトでも社会保険に入れるから万が一働けなくなった際の不安も不要であろう。

 

と、そんなこんな書いていたら3年前の記事で同じようなこと書いていた。

 

hajimemasitenoblog.hatenablog.com

 

この頃はコーストFIREの存在とか知らなかったけど。

通常のFIREやバリスタFIREでは大きくした資産を余らせたまま死んじゃいそうで

無駄だよな〜、とか考えていたんだろうな。

 

結局無駄なく効率よく生きるにはと考えるとみんな同じ結論に辿り着くということかな。